ファンタスティック・オーケストラコンサート Vol.3
22世紀の定番名曲コンサートへようこそ
- TEXT / 渡辺和(音楽ジャーナリスト)
モーツァルトやベートーヴェンの名演を職務とするOKEメンバーに「トトロ」や「サンダーバード」を弾かせるなんて些か失礼では、と思った貴方。ちょっと見方を変えてみませんか。
例えばクラシック音楽の定番たる《カルメン》組曲にせよ《アイーダ》大行進曲にせよ、劇場のために書かれた音楽。要は、現代の映画音楽やテレビ、はたまたゲーム音楽である。余りにも音楽が素晴らしいので、現在でもクラシックのレパートリーとして万人に愛されているだけのことだ。
2024年の世界で最も著名な日本人作曲家が久石譲なことに、誰も異論はあるまい。まずは「さんぽ」で楽器を紹介、語り手のナレーションを挟みつつアニメ「となりのトトロ」ワールドが展開する管弦楽組曲は、映画を知らずとも音楽好きなら大満足なはず。マエストロも大ファンだったという「サンダーバード」の音楽も、英国マーチングバンドと劇場音楽の伝統を継ぐ傑作だ。テレビSF人形劇収録用に作曲家バリー・グレーが綴った楽譜は、ヴァイオリンを三分割し多彩な管打楽器を活躍させる、モダンで洒落た総譜である。この2曲を並べたプログラミング、もしかしたら100年後には定番名曲コンサートになっているかも。
7/28
[日]
14:00開演開演(13:00開場)
コンサートホール
ファンタスティック・オーケストラコンサート Vol.3
指揮:広上淳一(OEKアーティスティック・リーダー)
ナレーション:久間田琳加
久石譲/オーケストラ・ストーリーズ「となりのトトロ」
グレイ/「サンダーバード」広上セレクション
【全席指定】 SS席 ¥8,500/S席 ¥7,500/A席 ¥6,500/B席 ¥4,500