鬼才か際物か、アルフォンス・スマンの真価を問う
- TEXT / 戸部亮/音楽評論家
指揮者マキシム・パスカルの名は日本でもいよいよ知られるようになった。特に2019年東京二期会で上演された黛敏郎《金閣寺》、2021年ベルク《ルル》では見事にピット、舞台を仕切った。これらの成功は日本で彼の力を知らしめるものになったはずだ。マキシム・パスカルの実力のほどは2025/2026ミラノ・スカラ座の新シーズンでもドビュッシー《ペレアスとメリザンド》(ロメオ・カステルッチ演出)で指揮を執ることからもうかがえよう。
そのパスカルが国際的な注目を集めるきっかけとなったのが「ル・バルコン」。オーケストラが法人化、組織化されていくと経営や運営面、そこに集う人たちの処遇や待遇で有利なことも多いが、反面、旗振り役になるリーダーの理想―ときにはリーダーのエゴとみなされることもあるが―をひたすらに追求していくことは難しくなる。そのような障壁を乗り越えるべく、パスカルがピアニストや音響エンジニアの仲間たちと立ち上げたのがル・バルコン。その創設メンバーの一人がアルフォンス・スマンだ。
実は日本ではあまり知られていないアルフォンス・スマン。彼のピアノはダミアン・パスと組んだ多種多様な歌曲の録音が秀逸―ポップなジャケットもとても面白い! ―だが、やはり才能の真価はライヴでこそ確認するべきだ。鬼才か際物か。それをオーケストラ・コンサートで判断するには協奏曲、しかもタイプが異なる定番名曲2曲で品定めするのがベストだ。それを今回アンサンブル金沢は実現させる。ベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第1番」、ラヴェル「 ピアノ協奏曲」の名曲ピアノ協奏曲2曲。1回の公演でアルフォンス・スマンはいかなる才能なのかを見極めよう。
スマンと対峙する指揮者は岡崎広樹。東京国際指揮者コンクールの様子がYouTubeで確認できるが、真面目に棒を振り、オーケストラにも丁寧にオーダーしていく様子が見て取れる。指揮者は唯一無二の個性を、他者を通じて具現化していく仕事である。新しい才能にオープンマインドに向き合うアンサンブル金沢と才能が刻印された音楽が作れるか。そしてスマンの才能に対抗できるか。期待しよう。


指揮:岡崎広樹(東京国際指揮者コンクール2024入賞)
ピアノ:アルフォンス・スマン*
ベートーヴェン/「コリオラン」序曲 op.62
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 op.15*
フォーレ/「ペレアスとメリザンド」組曲 op.80 より シシリエンヌ
25歳以下当日券50%オフ(要証明書類)
未就学児入場不可
・OEK定期会員先行販売:2025年7月20日(日)10時~8月10日(日)18時まで
・一般発売日:2025年8月20日(水) 10:00(予定)
・公演予定時間: 約120分
指揮:岡崎広樹(東京国際指揮者コンクール2024入賞)
ピアノ:アルフォンス・スマン*
ベートーヴェン/「コリオラン」序曲 op.62
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 op.15*
フォーレ/「ペレアスとメリザンド」組曲 op.80 より シシリエンヌ
25歳以下当日券50%オフ(要証明書類)
未就学児入場不可
・OEK定期会員先行販売:2025年7月20日(日)10時~8月10日(日)18時まで
・一般発売日:2025年8月20日(水) 10:00(予定)
・公演予定時間: 約120分