日本初演の難物協奏曲に挑む俊英・北村朋幹の弾き振り
- TEXT / 戸部亮/音楽評論家
- PHOTO / TAKA MAYUMI
つい最近まで国際コンクールで上位入賞者した海外若手ピアニストが受賞歴を引っ提げて、日本のオーケストラの定期演奏会のソリストやリサイタル、室内楽公演を行ってきた。聴き手もそれをありがたく聴き、「あのピアニストはいいね」「今はいいけど将来伸びるかは微妙」「向いているのは古典派よりも現代の方だね」など品定めしてきた。
しかしどうだろう。今、日本人ピアニストは大人気。筆者の印象論であるが、今海外から来日するピアニストの絶対数は徐々に減ってきている。もちろん唯一無二性が高いピアニストは変わらず多くの人に望まれて来日公演を行っているが。
代わって日本のピアニストが次々と活躍して、人気を獲得している。コロナ禍で入国制限があった時期は海外アーティストが容易に来日できない期間であった。そこで以前から実力はある日本のアーティストたちの価値にようやくわれわれは気づいたともいえるだろう。日本発で活躍する若き才能は世界水準だ。
北村朋幹も好事家にはすでにおなじみのピアニスト。多くのファンがつき、人気名曲を颯爽と弾くスター・ピアニストという感じではない。むしろ選曲、それらの構成を考えて、演奏家の思考を聴き手にも共有して、知的好奇心を一緒に探求していこうとする姿勢がある。それが北村の演奏会を実に面白いものにしている。例えばケージのプリペアド・ピアノのための作品を取り上げたリサイタル、20世紀邦人作曲家作品で構成された演奏会は内容、演奏ともに聴き手の頭と耳を満足させるものだった。
アンサンブル金沢ではガルデッラ作品の日本初演がまず注目。北村が所属するKAJIMOTOのサイトに北村が行ったガルデッラのインタヴュー記事がアップされている。それも鑑賞前に北村がガルデッラに向けるまなざし、ガルデッラの創作にあたっての考えに触れられる。ぜひ見てほしい。
ただそれだけではない。彼の弾き振りでシューマン「序奏とアレグロ・アパッショナート」、ブラームス「ピアノ協奏曲第2番」が取り上げられる。譜読みの速さに定評がある北村。優秀な指揮者でも手を焼く難物協奏曲を相手に、音楽家として能力が試されるとき。この公演は面白くなる。

指揮・ピアノ:北村朋幹
シューマン/序奏とアレグロ・アパッショナート op.92
ガルデッラ/マードレ(母)-ピアノとオーケストラのための(2023,日本初演)
ブラームス/ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 op.83
25歳以下当日券50%オフ(要証明書類)
未就学児入場不可
・OEK定期会員先行販売:2025年7月20日(日)10時~8月10日(日)18時まで
・一般発売日:2025年8月20日(水) 10:00(予定)
・公演予定時間: 約120分
指揮・ピアノ:北村朋幹
シューマン/序奏とアレグロ・アパッショナート op.92
ガルデッラ/マードレ(母)-ピアノとオーケストラのための(2023,日本初演)
ブラームス/ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 op.83
25歳以下当日券50%オフ(要証明書類)
未就学児入場不可
・OEK定期会員先行販売:2025年7月20日(日)10時~8月10日(日)18時まで
・一般発売日:2025年8月20日(水) 10:00(予定)
・公演予定時間: 約120分