2026-2027《継承》ホールに響く、音の幸③
いよいよ4月から新シーズンを迎えるOEK。岩城宏之が金沢に遺したOEKと音楽堂に、今年も多くの優れたアーティストが国内外から集い、音楽を届けます。石川・金沢の「海の幸」「山の幸」が国内外から人気を誇るように、OEKもメイド・イン・カナザワの「音の幸」としてご堪能いただきたいと願います。
- TEXT / 戸部亮(音楽評論家)
MEISTER SERIESE マイスター・シリーズ(5回)
新たな発見や好奇心をゆさぶる、まさにクラシック音楽の「開拓」を楽しむシリーズ。
マイスター・シリーズ ♯499 2026 4/11
古典と現代のコンビネーションで新たなクラシックの魅力を発見
皆が大好き《四季》、《プルチネルラ》。
楽しさは首席の名技と情報量たっぷりの対話を普段からできているアンサンブルがあってこそ。
じゃないと全然面白くならない。
わくわくしない。OEKの対話するアンサンブルの本領が発揮される時、たっぷりと堪能しよう。
●Check Point
リーダー・ヴァイオリンは第1コンサートマスター、アビゲイル・ヤングが登場。
「四季」はより室内楽的な演奏をお目にかけます。
その後、松井慶太が指揮する武満・モーツァルト・ストラヴィンスキーと続きます。

マイスター・シリーズ ♯502 2026 7/18
オペラ作曲家としてのモーツァルトを深堀り
躍動する川瀬を聴く。
ダ・ポンテ三部作の中で、日本での集客力が最も弱い《コジ》。
名アリアが波状攻撃のように繰り出されるような「華」はない。
だがパターンを変えて繰り出される重唱の数々、
優美な声のアンサンブルとコミカルな展開が人間心理の移ろいがたっぷり詰っている《コジ》。
川瀬が《コジ》を活性化させる。

マイスター・シリーズ ♯504 2026 10/3
モーツァルトから影響を受けた二人の音楽家が見た世界
佐藤俊介が登場した2024年10月の定期公演。
まずは公式YouTubeにある振り返り動画を観よう。
遊戯に満ちた演奏会だった。
対価を払って提供される出し物で「遊ぶ」のはとかくネガティヴにとらえられる。
演奏者のエゴであると。しかし「遊び」は本当はとてもクリエイティブな行為。
佐藤とOEKはそれを教えてくれる。

●Check Point
昨シーズンの第486回定期公演はリハーサルの時点で楽団員から「佐藤さんはすごい!」という声がちらほら聞こえてきていて、もちろん本番は聴衆の皆様からも大評判!
終演後、会場もSNSでも大いに盛り上がりました。
佐藤さんの何がそんなにすごかったのか―それを紐解く振り返り動画を作成しましたのでぜひご覧ください!
マイスター・シリーズ ♯508 2027 1/23
神の子モーツァルトと現代の才能の出遭い
川瀬賢太郎、佐藤俊介と続いたモーツァルト。
レモンのような鮮烈感をつなぐのはOEKと初顔合わせとなる出口大地。
モーツァルトは恐ろしい。
指揮を通じて本物かそうではないかがはっきりとわかってしまう。
出口のアイデアとそれを実現させる力を聴こう。
また石若駿の作品とパフォーマンスは深い鮮烈を与える。
●Check Point
お気づきの方も多いと思いますが、マイスター・シリーズは一貫してモーツァルトの作品を取り上げます。
手練れのアーティストたちがあふれ出るアイデアを携えて金沢へ。
彼らの芸術を具現化させる高い技巧をもってOEKが対峙します。

マイスター・シリーズ ♯510 2027 3/6
偉大な音楽への献身
《ジュピター》、聴き終わるとやはり通称通りと思う。
OEKに初登場となるオットー・タウスク。
まだ日本では知名度が高いとは言えないが、現在バンクーバー交響楽団音楽監督。
着実に力を蓄えている。
フラットな目線で指揮者と向き合うOEKでタウスクの力が確かめよう。
そして《ジュピター》の凄さを聴かせてもらおう。

◎指揮:松井慶太
◎リーダー&ヴァイオリン:アビゲイル・ヤング
◎チェンバロ:曽根麻矢子
◎弦楽五重奏:オーケストラ・アンサンブル金沢メンバー
ヴィヴァルディ:四季(全曲)
武満 徹:弦楽のためのレクイエム(1957)
モーツァルト:フリーメイソンのための葬送音楽 ハ短調 K.477
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「プルチネルラ」組曲
◎指揮:川瀬賢太郎
◎出演:モーツァルト・シンガーズ・ジャパン(演出:宮本益光)
モーツァルト:歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」K.588(演奏会形式によるオペラ・ハイライト版)
◎指揮・ヴァイオリン:佐藤俊介
モーツァルト:セレナード 第11番 変ホ長調 K.375より 第1楽章
シューベルト:交響曲 第5番 変ロ長調 D.485
サリエリ:4人の為のフーガ風スケルツォ 第2番 ハ長調 ほか
◎指揮:出口大地
◎パーカッション:石若 駿
モーツァルト:交響曲 第35番 ニ長調 K.385「ハフナー」
石若 駿:協奏組曲「playgroundz(for percussion)」
吉松 隆:アトムハーツクラブ組曲 第1番 op.70b
モーツァルト:交響曲 第39番 変ホ長調 K.543
◎指揮:オットー・タウスク
◎ピアノ:久末 航
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 op.15
モーツァルト:交響曲 第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」 ほか
