WEBマガジン「KADENZA」について

石川県立音楽堂は洋楽・邦楽それぞれ専用のホールをあわせ持つ世界で初めてのホールで、オーケストラ・アンサンブル金沢(以下、OEK)の本拠地として2001年9月12日に開館しました。「KADENZA」は魅力あふれる自主公演の企画趣旨や魅力、背景までをお届けする新たなWEBプラットフォームです。

カデンツァはもともと2003年に創刊された情報誌で、これまで主催公演の情報やアーティストのインタビュー、特集記事などを掲載してまいりました。タイトルのCADENZAはクラシック用語で、楽章の終わりなどにある技巧的なパッセージ(いわゆる独奏者の腕の見せ所)である「CADENZA」と能楽の大成者世阿弥の著した能楽論書「花伝書」をかけています。
情報誌も変わらず発行を続けてまいりますが、このサイトでは舞台裏の製作秘話やアーティストの素顔に迫るインタビューなど音楽にまつわる興味深い記事に加え、上演した公演のレポートやレビュー、いままで発行したCADENZAの中から選りすぐりのアーカイブも掲載していきます。

CADENZAの創刊号でOEK初代音楽監督の故・岩城宏之はこのような言葉を遺しています――ぼくたちは2001年9月に開館してから西洋と東洋の音楽を同じ建物で、それも最高の条件で演じていくという、世界で初めての「壮大な実験」を試みている――と。その実験はまだまだ続いていきます。これまでと変わらぬ情報の発信とその「実験」の積み重ねを一つひとつ遺していく――これが「KADENZA」の揺るがぬ文化的役割と考えます。
