第483回定期公演 マイスター・シリーズ
バレンシアの室内管専門家は北国の夢を見る
- TEXT / 渡辺和(音楽ジャーナリスト)
ラテンの血がたぎるヴァレンシア出身で、伝説の熱演型指揮者スヴェトラーノフを顕彰するコンクールで世に出たと知れば、ロベルト・フォレス・ヴェセスと室内オーケストラの相性を心配する向きもあるやも。が、ご安心を。このマエストロ、10年代にはかつてオーヴェルニュ室内管という名で知られたフランス屈指の室内アンサンブルを率い、来る秋からは名門イギリス室内管弦楽団の首席客演指揮者を任される室内オーケストラ指揮の専門家なのである。OEKの指揮台は、正に水を得た魚だ。
そんなスペイン人シェフが披露するのは、意外にもヨーロッパは北の国の音楽ばかり。だがロベルト・フォレスの師匠といえば、指揮から作曲まで何でもござれの北欧の鉄人、レイフ・ゼーゲルスタムなのである。コンクール優勝前にはヘルシンキのシベリウス・アカデミーで学び、北国の響きや透明なサウンドをしっかり身に付けている。シベリウスの壮大なオーケストレーションを、大きくなり過ぎない規模の管弦楽編成を適切に鳴り響かせる技を心得た指揮者とオーケストラで堪能するなど、ありそうでないチャンスだ。記念年以来盛んに小菅が取り上げるラフマニノフにも、最適解が示されよう。
7/13
[土]
14:00開演開演(13:00開場)
コンサートホール
第483回定期公演 マイスター・シリーズ
指揮:ロベルト・フォレス・ヴェセス
ピアノ:小菅 優
ラフマニノフ/ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調
シベリウス/交響曲 第2番 ニ長調
【全席指定】 SS席 ¥7,000/S席 ¥6,000/A席 ¥5,000/B席 ¥3,000/スターライト席 ¥1,500