石川県立音楽堂
オーケストラアンサンブル金沢

第490回定期公演マイスター・シリーズ

超絶技巧を要するサン=サーンスと指揮者の美質が問われるブラームス
  • TEXT / 高山直也(音楽評論家)

2022年、ロン=ティボー国際音楽コンクールにおいて第1位を受賞。併せて「聴衆賞」「評論家賞」の2つの特別賞も受賞している亀井聖矢。最近ではテレビなどのメディアにもしばしば登場し、今もっとも勢いのあるピアニストとして注目されている。その亀井がふたたびOEKと共演。曲目はロン=ティボー優勝曲のサン=サーンス「ピアノ協奏曲第5番 《エジプト風》」を披露するというから聴き逃がせない 。本作のニックネームは、サン=サーンスがエジプト滞在中に作曲したことと、第2楽章の東洋的なエキゾティズムに由来する。また超絶技巧を要する曲としても知られ、ピアニストとして恵まれた大きな手をもつ亀井だけに、この手を活かした圧倒的なヴィルトゥオジティと表現力で聴くものを虜にするだろう。

そして演奏会冒頭を飾るシューマンは、若きサン=サーンスに影響を与えており、後半のブラームスとシューマンの絆とともに、ロマン派の潮流や系譜を辿るプログラムといえる。

OEKは昨シーズンからブラームスの交響曲全4曲を取り上げているが(#476M「交響曲 第1番」、#485M「同第2番」、488PH「同第4番」)、今回、その完結となる「交響曲 第3番」をメインに据える。シューマンの「交響曲 第3番《ライン》」と同じ番号の本作は、第1楽章にその類似性が指摘されており 、シューマンから受け継ぐブラームスの心の内が垣間みえるだろう。第3楽章の初めに歌われる憂愁を帯びたチェロの旋律は、全曲中よく知られた聴きどころ。さらにOEK初登場となるスペイン出身のアントニオ・メンデスは、ヨーロッパの主要なオーケストラで出演を重ね、人気を集める指揮者のひとりとなりつつある。ドイツで指揮の研鑽を積んでおり、指揮者の美質が表れるブラームスの「交響曲第3番」にどうアプローチするかも注目だ。

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[日]
14:00開演開演(13:00開場)
コンサートホール
第490回定期公演マイスター・シリーズ

指揮:アントニオ・メンデス
ピアノ:亀井聖矢

シューマン/序曲、スケルツォと終曲
サン=サーンス/ピアノ協奏曲 第5番「エジプト風」
ブラームス/交響曲 第3番

【全席指定】
SS席 ¥7,000/S席 ¥6,000
A席 ¥5,000/ビスタ席 ¥3,000
スターライト席 ¥1,500
車椅子席 ¥6,000
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