第19回岩城宏之音楽賞受賞者・高野百合絵インタビュー
オーケストラ・アンサンブル金沢の創設とその後の活動を支え、音楽文化の発展に尽力した功績を称え、毎年開催されている岩城宏之メモリアル・コンサート。岩城宏之音楽賞受賞者とOEKとの共演&コンポーザー・オブ・ザ・イヤーの新作世界初演と「岩城イズム」を感じる1日です。今年度受賞された高野百合絵さんにお話を伺いました。
―岩城宏之音楽賞受賞の知らせをきいて、あらためていかがでしたでしょうか。
このたび大変栄誉ある賞を賜り、心より光栄に思っております。富山で音楽に出会い、育てていただいた私にとって、ゆかりある北陸でこのような賞を頂けたことは格別の喜びです。これまでの歩みを優しく照らしていただいたような思いで、今後の大きな励みとなりました。
―OEKとは北陸新人登竜門をはじめ共演を重ねられていますが、どんな印象をお持ちでしょうか。
大学院修了後に出演させていただいた北陸新人登竜門は、「学生」として守られていた環境を離れ、初めて「音楽家」として臨んだ特別な舞台でした。不安と期待が入り混じる中で迎えたあの瞬間は、今も心
に残っています。それ以来、OEKの皆さまとご一緒するたび、初心を思い出し、またここで歌わせていただけることのありがたさを噛みしめています。
―故郷に寄せる想いと公演に向けてのメッセージをお願いいたします。
金沢での公演は、地元で応援してくださる皆さまに直接音楽をお届けできる、私にとってかけがえのない機会です。今回は、岩城宏之音楽賞の受賞をご報告できること、そして音楽を通じて感謝の気持ちをお伝えできることを、心から嬉しく思っています。これまで大切に歌ってきた作品に加え、新たに挑戦したいレパートリーも選びました。いつも支えてくださっている皆さまへの敬意と恩返しの気持ちを込めて、これからも音楽の探求を重ねながら、一つひとつの音に心を込めて歌います。ぜひ会場でお目にかかれましたら幸いです。


新曲委嘱作品初演 岩城宏之音楽賞受賞者
高野百合絵を迎えて
○指揮:ユベール・スダーン
○ソプラノ:高野百合絵
糀場富美子/悲しみの8つの断章(世界初演)
グノー/歌劇《ファウスト》より「宝石の歌」
ドヴォルザーク/歌劇《ルサルカ》より「月に寄せる歌」
マスネ/歌劇《エロディアード》より「優しく、心地よく」
ビゼー/交響曲 ハ長調
S席 ¥5,000/A席 ¥4,000ビスタ席 ¥3,000/スターライト席 ¥1,000
OEK定期会員 S・A席 ¥1,500割引
*25歳以下の方50%割引
(前日予約可/空席ある場合に限る/要証明書類)

PROFILE
高野百合絵(ソプラノ)
富山県出身。
東京音楽大学、及び大学院を首席で修了。
佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2021『メリー・ウィドウ』主役ハンナ・グラヴァリに抜擢され、
2023『ドン・ジョヴァンニ』ドンナ・アンナに続き、2024『蝶々夫人』題名役を可憐な舞台姿と
瑞々しい歌唱で喝采を浴びる。
「サントリー1万人の第九」「テレジアミサ」「夏の夜の夢」「三角帽子」等のソリスト、
ジルヴェスター/ニューイヤーコンサート等で主要オーケストラとの共演や各地での
リサイタルが好評を博している。
CD「CANTARES」、「Cantar del Alma/魂の歌」を日本コロムビアよりリリース。
NHK-FM「リサイタル・パッシオ」、テレビ朝日「題名のない音楽会」、
BSテレ東「エンター・ザ・ミュージック」等のメディアに出演。
2025年度 全国共同制作オペラ『愛の妙薬』アディーナで主演が決まっている。
公式サイト https://yurietakano.com/