石川県立音楽堂
オーケストラアンサンブル金沢

音楽の楽しさを観客と共有できる稀有なステージ

ピアニスト 山中千尋(群馬県出身)
  • TEXT / 本江亜珠佳
  • 撮影協力 / ピソバイレスピラシオン/しあわせチーズ

まるでチーズそのものを食べているみたいでおいしいですね、このチーズケーキ。すごくきめが細かく、舌で溶けていきます。

即興演奏のジャズって、次から次にいろいろな音が湧いては消えていくんです。チーズもジャズに似て、複雑な味わいが次々と舌の上にのってくるのが、楽しい。その楽しさがこのチーズケーキには感じられますね。

先日、石川県立音楽堂コンサートホールでジャズピアノとドラム、ベースのトリオサウンドを聴いていただきました。

いいホールは、密度を持った静けさと、花が開くような華やかさを持ち合わせていて、音楽の楽しさが感じられるんです。音楽堂はそれをお客さまとシェアできる、数少ないステージの一つだと思います。奏でた音が、自分の想像を超えた色彩で聴こえてきて、そこからインスピレーションを受けて、また演奏する。すごく楽しい時間でした。

今回はジャズでは珍しく、生の音で聴いていただきました。何も加工していない音がホールに響き、お客さまの体に響き、心に響いていく。会場が「鳴る」と言うのでしょうか。お客さまの反応が大きく感じられ、ステージと同じぐらい観客席も熱量をもってくださり、温かいステージになりました。

アコースティックの舞台は、自分自身を聴く場所でもあります。やはり、生の舞台を踏まないといけないなと、今回あらためて感じました。

今年でデビュー20周年を迎え、9月にベスト盤、10月には記念のアルバムを発売します。ジャズピアノは、音の中で遊んだり、時には泳いでみたり、音をキャッチボールしたりと、自由で、音を心から楽しむことができます。これからも、ジャズの楽しさ、気軽さを感じていたくと共に、華やかさのある演奏をお届けしていきたいです。

PROFILE
山中千尋(やまなか ちひろ)

ニューヨークを拠点に世界で活躍するジャズ・ピアニスト。
ダイナミズムと超絶技巧、ジャズの伝統と斬新なアレンジを併せ持ち、
初の日本女性ジャズ・ピアニストとしてデッカレーベルと契約し全米デビュー。
世界の主なジャズフェスティバルや、カーネギーホール、ケネディーセンター、
リンカーンセンターなどにも出演。
米ダウンビート紙、英ガーディアン紙でも絶賛を受ける。
NHK交響楽団、群馬交響楽団、東京都交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団との共演も多数。
24年10月には、26枚目のアルバム「Carry On」(BlueNote)をリリースした。

SHOP INFO
PiSO by respiración

石川県金沢市木ノ新保町1-1
金沢百番街「あんと」内
TEL 076-201-8234
〈営業時間〉 8:30~20:00 〈 定休日〉 不定休

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(石川県立音楽堂1F)

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