石川県立音楽堂
オーケストラアンサンブル金沢

チャイコフスキー国際コンクール
覇者の二人による心躍るスペシャルデュオ

音楽堂リサイタルシリーズ Vol.7
  • TEXT / 真嶋雄大(音楽評論家)

ともにチャイコフスキー国際コンクールの覇者である神尾真由子と上原彩子が11月3日、「音楽堂リサイタルシリーズ2025」に登場する。

神尾は2020年OEKとチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」を、2021年には同じくプロコフィエフの「ヴァイオリン協奏曲」、そして2022年にはピアソラ「ブエノスアイレスの四季」のソリストを担い、すでにお馴染みの存在。一方の上原彩子は2011年にやはりOEKとベートーヴェン「皇帝」で共演して以来のようなので、しばらくぶりのステージとなる。

とまれ、神尾にしても上原にしても堂々たるキャリアとポテンシャルで演奏活動を継続しており、現在では2人ともまさに成熟の境地にある。神尾は一時前進的な、切り込むような激しい側面も持っていたが、今やエモーションやパッションはそのままに、ソナタのアレグロ楽章では辺りを睥睨するかの威風堂々たる響きで圧倒しつつピアノとの親密な対話を展開し、緩徐楽章では甘美で伸びやかな旋律の歌い廻しがしっとりした風情を醸す。

一方の上原も、豊かな詩情と馥郁たるイマジネーション、そしてみずみずしく清冽な情感を携えて伸びやかにたっぷりと歌い上げ、細部にまで丁寧に繊細に彫琢していくピアニズムが印象的だ。

その2人のデュオは音楽堂初。しかもプログラムは所縁の深いロシアもの。チャイコフスキーにしてもプロコフィエフにしても、どれほど詩情に満ちた響きや歌心に溢れた旋律美を描くのか、またスラヴの大地を思わせる香りや仄暗い情景などロシア音楽特有の情調に共感し、いかなる音楽的感興を湧き上がらせてくれるのか、興味は尽きない。さらに稀有な2人の邂逅がアンサンブルとして駆動する時、作品の真影が詳らかになり、格調高く、しかも官能的な美が芳醇に紡がれるだろう。まさに一期一会、永く記憶に残るリサイタルになる。

11/3
[月]
14:00開演開演(13:15開場)
コンサートホール
音楽堂リサイタルシリーズvol.7

チャイコフスキー国際コンクール
覇者の二人による心躍る♪スペシャルデュオ!!

○ヴァイオリン:神尾真由子
○ピアノ:上原彩子

チャイコフスキー/懐かしい土地の思い出 op.42
チャイコフスキー/ワルツ・スケルツォ op.34
プロコフィエフ/ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 op.83
プロコフィエフ/ヴァイオリン・ソナタ第1番 ヘ短調 op.80

【全席指定】 S席 ¥3,000/A席 ¥2,000/B席 ¥1,500
PROFILE
神尾真由子(ヴァイオリン)

2007年に第13回チャイコフスキー国際コンクールで優勝。
国内の主要オーケストラはもとより、バイエルン州立歌劇場管弦楽団、
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団などと共演。
これまで里屋智佳子、小栗まち絵、工藤千博、原田幸一郎、
ドロシー・ディレイ、川崎雅夫、ザハール・ブロンの各氏に師事。
楽器は宗次コレクションより貸与されたストラディヴァリウス1731年製作「Rubinoff」。
大阪府知事賞、京都府知事賞、第13回出光音楽賞、文化庁長官表彰、
ホテルオークラ音楽賞はじめ数々の賞を受賞。
東京音楽大学教授。

PROFILE
上原彩子(ピアノ)

第12回チャイコフスキー国際コンクール ピアノ部門において、
女性としてまた、日本人として史上初めての第一位を獲得。
第18回新日鉄音楽賞フレッシュアーティスト賞受賞。
国内外のオーケストラのソリストとしての共演も多い。
CDはEMIクラシックスから3枚がワールドワイドで発売された他、
キングレコードより「ラフマニノフ 13の前奏曲」「上原彩子のモーツァルト&チャイコフスキー」
「デビュー20周年記念コンサート・ライヴ盤」等4枚がリリースされている。
東京藝術大学音楽学部 早期教育リサーチセンター准教授。
令和4年度文化庁長官表彰受賞。

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