優秀賞受賞の俊英たちが語るコンサートへの想い
オーケストラ・アンサンブル金沢では、北陸にゆかりのある新人演奏家の発掘と支援を目的とした「北陸新人登竜門コンサート」を毎年開催し、若きソリストと共演しています。この度、そのソリストを決めるオーディションが行われ、4名が優秀者として選ばれました。5月のコンサートに臨む意気込みをお聞きしましたので、当日は地域から羽ばたく若い才能に客席からエールを送りましょう!
バス・トロンボーン
狭間萌花(MOEKA HAZAMA)

この度は北陸新人登竜門コンサートに出演させていただけますこと、大変光栄に存じます。
トムリッタージョージのコンチェルトは表情や色彩感が流動的です。面白みを最大限に引き出し、曲の様々な顔をお楽しみいただければ幸いです。また、あたたかく響きのある音色をもつバストロンボーンの魅力をお届けいたします。
普段はオーケストラの中で演奏することが多いのですが、ソリストとして、オーケストラと共演させていただくことは初めてでとても楽しみにしております。アンサンブル金沢さんへの憧れは大きく、その分緊張も大きいですが、大好きな曲で共演させていただける幸せを噛み締め、全力で演奏いたします。
【プロフィール】
富山県出身。県立呉羽高等学校普通コース卒業。国立音楽大学を首席で卒業、弦管打楽器ソリストコース修了。卒業時に武岡賞を受賞。同大学の卒業演奏会、第38回ヤマハ管楽器新人演奏会に出演。桐朋オーケストラ・アカデミー研修課程を修了。第18回関西トロンボーン協会コンクール成人ソロ部門第2位。第3回静岡トロンボーンコンクール専門部門第3位。第7回名古屋トロンボーンコンペティション オーケストラスタディ部門第1位。第8回日本トロンボーンコンペティション独奏部門一般の部第1位。これまでにトロンボーンを廣瀬大悟、黒金寛行、小田桐寛之の各氏に師事。現在、国立音楽大学非常勤講師、桐朋学園大学嘱託演奏員。またフリーのバス・トロンボーン奏者として演奏活動をしている。
サクソフォン
金場葉菜(HANA KANEBA)

今回演奏する曲は、サックスを勉強している方々は誰もが知っている曲の一つでもあり、よく入試の課題曲としても取り上げられる曲です。
私自身も大学受験の頃にたくさん練習した曲でもあるのでとても思い出深い作品となっております。今年はいよいよ大学の集大成ですので成長した姿をお見せできるように頑張ります。
そしてご指導してくださった先生方、近くで見守り続けてくれた家族、応援してくださった皆様に感謝の気持ちを込めて精一杯演奏いたします!
【プロフィール】
富山県高岡市出身。富山県立大門高等学校普通科卒業。第38回富山県青少年音楽コンクール最優秀賞・青少年音楽大賞受賞。第4回Kグランプリコンクール優秀賞。第24回大阪国際音楽コンクールアンサンブル部門でエスポアール賞。これまでにサクソフォンを松井宏幸、田中靖人、有村純親、住谷美帆、谷道実子の各氏に、室内楽を神保佳祐、小山弦太郎、松原孝政の各氏に師事。現在、昭和音楽大学弦・管・打楽器演奏家コース4年時に特待生として在学中。
クラリネット
田中そよ香(SOYOKA TANAKA)

北陸新人登竜門コンサートへの出演が決まり、大変嬉しく思います。オーケストラ・アンサンブル金沢の皆さまは、私にとっての憧れであり、何度も拝聴することを通して音楽の道に進みたいと思うきっかけを与えてくださりました。
今回共演させていただけることが夢のようで、とても光栄です。
ウェーバーのクラリネット協奏曲第1番は、クラリネットの音色と技巧を豊かに表現した作品です。3つの楽章を通して、歌劇「魔弾の射手」を彷彿とさせる壮大さ、叙情豊かで美しい旋律、躍動感と多彩な響きが特徴です。オーケストラとの掛け合いを楽しみながら、ご来場くださる皆さま、これまでご指導いただいた先生方へ感謝の気持ちを込めて演奏いたします。
【プロフィール】
富山県出身。富山県立呉羽高等学校を経て、東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。同大学院音楽研究科修士課程修了。第15回大阪国際音楽コンクールAge-jエスポワール賞。第32、36回富山県青少年音楽コンクール管打楽器部門最優秀賞及び富山県芸術文化協会長賞。第31回名古屋クラリネットソロコンテスト最優秀賞及びグランプリ。第79回東京国際芸術協会新人演奏会オーディションにて優秀新人賞、同演奏会に出演。これまでにクラリネットを鈴木昌季、大浦綾子、藤井一男、高子由佳、サトーミチヨ、三界秀実の各氏に師事。室内楽を吉井瑞穂、齋藤雄介、西川智也、岡本正之、木川博史、日髙剛、萩原麻未の各氏に師事。
ヴィオラ
小森佳奈(KANA KOMORI)

ヘブライ組曲は作曲者ブロッホのアイデンティティーが詰まった一大叙事詩です。ユダヤ人である彼はその民族性を音楽で表現することに生涯を懸けました。ブロッホは自らの民族と言語の呼称である“ヘブライ“を冠した作品をヴィオラのために書き残しました。私自身、ヴィオラ奏者として彼がこの曲を託してくれた意味を噛み締めて取り組んでまいりました。この度はアンサンブル金沢さん、角田先生と共演させていただき大変光栄です。この曲の管弦打楽器フルパワーの大迫力がとても楽しみです。学生時代にお世話になった北陸の皆様にもその魅力を味わっていただきたく、また少しでも北陸への恩返しとなりますよう精一杯努めたいと思います。
【プロフィール】
愛知県立芸術大学卒業、桐朋学園大学院大学修士課程修了、桐朋オーケストラ・アカデミー卒業。ヴェローナ楽友協会国際コンクール2024ファイナリスト(イタリアにて)、ロイヤルマース国際コンクールヴィオラ部門第1位、蓼科音楽祭賞、他受賞多数。円光寺雅彦指揮桐朋アカデミーオーケストラと共演。アンサンブル金沢、N響、神奈川フィル、新日フィル、九州交響楽団他日本各地のオーケストラに賛助出演。磯村和英、店村眞積、百武由紀、鈴木学、安藤裕子、ヤーニス・リールバルディスの各氏に師事。宗次徳二奨学基金奨学生。
指揮:角田鋼亮
クラリネット:田中そよ香
ヴィオラ:小森佳奈
サクソフォン:金場葉菜
バス・トロンボーン:狭間萌花
◯ウェーバー/クラリネット協奏曲第1 番ヘ短調作品73
◯グラズノフ/サクソフォン協奏曲 変ホ長調
◯ブロッホ/ヘブライ組曲
◯リッター・ジョージ/バス・トロンボーン協奏曲