石川県立音楽堂
オーケストラアンサンブル金沢

ガルガンチュア音楽祭2024

  • TEXT / 潮博恵(音楽ジャーナリスト)

音楽ジャーナリスト・潮博恵が誘う

音楽を再生の力に希望の灯をともそう。 大西洋をわたる風 イギリス、アメリカの音楽

ゴールデンウィークの「風と緑の楽都音楽祭」が今年から「ガルガンチュア音楽祭」にリニューアル。音楽祭のマスコットだったガルガンチュアを前面に打ち出し、その好奇心旺盛なキャラクターを求心力に、世界でオンリーワンのより楽しくて幅広い世代から愛される音楽祭へと新たな一歩を踏み出した。

音楽祭のテーマは「大西洋をわたる風 イギリス、アメリカの音楽」。欧州大陸で生れたクラシック音楽が海をわたった英米でどう発展したのか、大きな花を咲かせたミュージカルや映画音楽はもちろん、異文化の融合によって生れたジャズやゴスペル、さらには日本発で海を越えて広がったアニメ音楽まで、プログラムを見渡せばまさに音楽で描かれたビッグピクチュアが広がる。直球ど真ん中の名曲揃いだが、実はこれらを生演奏で聴く機会は意外と少ない。音楽祭ならではの選りすぐりのアーティストによる演奏でたっぷりと味わい、スケールの大きな音楽絵図を体感しよう。また、今年は「がんばろうNOTO ~音楽祭にきて被災地を応援しよう~」が開催趣旨でもある。入場料収入の5%が義援金になるほか、能登産品の販売ブースも開設されるので、音楽の力による応援を一緒に盛り上げよう!


\二つのおすすめ公演 ここに注目!/

【C14】 シアター・イン・オーケストラ -今宵はミュージカル!
5/3[金] 19:50~20:50 コンサートホール S席 ¥3,500/A席 ¥2,500

純名 里沙
飯田 洋輔

●広上 淳一指揮 ●オーケストラ・アンサンブル金沢
ガルガン・アンサンブル,純名 里沙(Vo), 飯田 洋輔(Vo), 秋本 悠希(Sop),前澤 歌穂(Msop),
伊藤 達人(Ten), 澤武 紀行(Ten), 栗原 峻希(Bar), VOX OF JOY(Gospel)

クラシック音楽だけではない、より多彩なプログラムの音楽祭への転換を象徴する公演。劇団四季で『オペラ座の怪人』のファントム役など、数々の主役を演じた飯田洋輔、そして元タカラジェンヌでテレビでもおなじみの純名里沙という2人のスターを迎え、華やかなキャストがスタンバイ。『オペラ座の
怪人』や『美女と野獣』などの名曲が並ぶが、ここに伊藤達人をはじめとする実力派のオペラ歌手が加わり、オーケストラは広上淳一指揮のオーケストラ・アンサンブル金沢+ガルガン・アンサンブルという、いわばガチ・クラシックのメンバーが集結してコラボレーションしていくところがミソだ。この出会いからどんな光が発せられるのか?生まれ変わった音楽祭の今後を占う公演でもある。

【C21】 大西順子のラプソディ・イン・ブルー
5/4[土] 11:50~12:40 コンサートホール S席 ¥3,500/A席 ¥2,500

大西 順子

●沼尻竜典指揮 ●オックスフォード・フィルハーモニー管弦楽団
大西 順子(Pf), 井上 陽介(B), 吉良 創太(Drs)

クラシックとジャズが融合した作品の代名詞といえるガーシュウィンのラプソディ・イン・ブルーは今年でちょうど初演から100年のメモリアルイヤーにあたる。東欧系ユダヤ移民のルーツを持つガーシュウィンがアメリカでジャズを取り入れて書いたこのクラシック作品は、まさに今年のテーマである「大西洋をわたる風」を感じるのに最適な曲。そして何よりも共演が大西順子トリオと来れば、これはもう聴き逃せない。さらに彼らと丁々発止を繰り広げる顔ぶれがオペラで絶大なる信頼を集めるベテラン沼尻竜典の指揮、オケがオックスフォード・フィルハーモニー管弦楽団という、この音楽祭以外ではまず実現しないような組み合わせであるところも面白い。大西をはじめとするトリオのメンバーから生み出されるスリリングな音、リズム、瞬間がどうオーケストラと化学反応を起こすのか? これこそライブの醍醐味だ。

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